2008年02月01日

道路特定財源を考える その2

前回、今の暫定税率の安易な延長には反対だと書いた。すると、「じゃあ財源不足はどうする?」と尋ねられる。

その前に、この問題の大前提をここで改めて強調したい。道路特定財源は6種類の税金で構成されるが、その中で暫定税率があるのは自動車取得税、自動車重量税、揮発油税、地方道路税、軽油引取税の5つである(石油ガス税は本則税率のまま)。

改めて言うまでもなくこれらは全て「税金」だ。そして暫定税率部分は、5年という期限を決めて国民に負担を課している。つまり期限が切れる3月末において、法律に定められた税負担義務を国民は終えるのであって、それを更に継続するということは、紛れも無く「増税」である。今までと変わらないから増税感が沸かないだけだ。

事実上、年間6兆円近い増税を国民に課すというのに、「国民生活の混乱を避けるため」などという、あたかも国民のためを思ってしているかのような理由をつけるとは、厚かましいにも程がある。しかも今度は10年だから約60兆円の超大型増税だ。政府が余りに堂々と主張しているから一瞬錯覚を起こしそうになるが(実際に多くの人が起こしているのだが)この傲慢さ、図々しさ、甚だしい勘違いが、報道であまり指摘されていないのがまずおかしい。

もしこれが3%の消費税引き上げ(約6兆円の税収になる)という内容なら、国民はどう受け止めるだろうか。マスコミはどう報じるだろうか。

負担感を感じにくいことを理由に、本質を見失ってはならない。
「これは一時的な税だから」といって国民をごまかし、暫定でありながら44年間も続けてきたこと自体がまず異常なのであり、遅きに帰したとしても、暫定期間が切れる以上、ここで一旦終わらせることがもっともな筋であることは、誰がどう考えても明らかだ。
道路行政をいかに進めるかという政策自体は極めて重要であり、軽んじるつもりは毛頭ないが、必要な予算が確保できれば済む以上、暫定税率にこだわる理由は「それが一番楽だから」という以外には無い(この点は次号で詳しく書く)。

税は、使途や必要性を明らかにした上で法律によって国民に課すものであり、「今までずっと課してきたから続けないと混乱する」というのは、国民に対する増税という最も重い説明責任が問われることの説明には全くなっていない。突然切れたら混乱するから、廃止まで手続き上数ヶ月の移行期間をという「つなぎ法案」ならまだ話は分かるが、増税を担保するためのつなぎ法案など論外だ。

一方、野党が「ガソリンの値段を25円下げます」という俗な言い方でキャンペーンをしていることも、こうした勘違いの原因になっている。国民に分かりやすいという戦略であることは理解するが、民主党の藤井税調会長が強調しているように、歪んだ税体系を見直すことが本筋であって、ガソリンの値段を下げることは真の目的ではない。
「暫定是率は期限が来たら切れて当然」なのであり、「増税こそ国民生活を苦しめる」という当たり前の点をもっと強調しないと、「選挙目当てで国民に迎合している」という、ありがちな、そして政府にとって都合の良いレッテルを貼られることになる。

私が色々なところで話をしても、「財源はどうするの?」と尋ねてくる方が沢山いる。「また別のところで借金されたら敵わない」という視点だとしたら至極当然の発想である。
しかし基本は、期間が切れる段階で税の目的を果たしているべきなのであり、もし万一、まだ継続する必要があるなら、それは改めて国民に負担をお願いするのが当然の筋である。

「一度下げたら引き上げるのは難しい」というもっともらしい解説も聞くが、増税が難しいのは当たり前であって、国民の同意が得られない増税ならすべきでない。その際、選挙の時だけは散々頭を下げておきながら、「国民は将来を見据えた判断ができない」などと自らの説明能力不足を棚に上げて憚らない政治家は、約70%にも及ぶ税負担率(所得に占める税の割合。つまり70%だと月給30万なら21万円が税金や保険料)を国民が受け入れているスウェーデンなどの政治家に暫く弟子入りしてくるべきだろう。

以上の大原則を踏まえた上で、地方はどうすべきか、道路行政をどう勧めるべきかを次回に示す(続く)。
posted by こばてつ at 14:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 政策の種 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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